2019年4月から准教授になられた先生方を紹介します。今回は村田順二先生です。

「コーヒーのさいえんす()

はじめまして。機械工学科新任教員の村田順二と申します。

コーヒーはお好きでしょうか?私は日に34杯ほどコーヒーを飲みます。

私の一日は手回しのミルによって、コーヒー豆を挽くことから始まります。挽いた豆をドリッパーにセットして、ハンドドリップによって淹れたてのコーヒーを啜ると、仕事モードに入ります。一日のはじまりにコーヒーを召し上がる方も多いとは思います。ここでは私の素人的コーヒーへのこだわりをご紹介します。

まず、豆です。私は豆を自ら煎ります(焙煎)。最近はネットショップで世界各地の生豆を安価で手に入れることができます。これを自宅で手網(銀杏煎りとして売られています)を利用して、ガスコンロで炙り豆を焼くのです(直火は好ましくないようですが、素人ですから気にしません)。この際、焼きムラが発生しないよう手網を絶え間なく動かすことが重要です。しばらくすると色が変わり、豆が音を発します。これを豆が爆ぜるというようです。1回目のバチッという大きめの音が1ハゼ、それがやんだ後しばらくして発するパチパチという小さい音が2ハゼといいます。このどこかのタイミングで火を止めるわけですが、同じ豆でも十数秒焼く時間が変わるだけで、味がガラリと変わるのです。浅煎りは酸味が強く、深煎りは苦みが強くなります。好みの焙煎度合いを見つけることも楽しみの一つです。私のオススメはエチオピアのイリガチェフという豆の浅煎りです。初めて味わったときに、その華やかな香りに驚きました。

筆者が焼いた豆

自分で豆を焼くようになったきっかけは、豆の鮮度の重要性に気付いたからです。かつて焼豆を購入していたとき、同じ銘柄の豆でも、お湯を落としたときに豆が大きく膨らむ場合と、そうでない場合がありました。どうも焙煎されてから日が経つと膨らまなくなるようです。これは豆が含んでいる炭酸ガスが関わっています。焙煎直後の豆はガスをふんだんに含んでいますが、時間の経過に伴いガスは抜けていきます。そのような古い豆は、たとえ挽きたてであっても美味しくないのです。ガスが抜けるとコーヒーの香りも一緒に抜けていくと推察しています。ですから、焙煎した豆は密閉容器内に保管し、ガスが抜けにくくすると長く楽しめます(それでも10日程度です)。また、挽いた豆はガスが抜けるのがさらに早いので、面倒でも飲む直前に挽くのがよいでしょう。

新鮮な豆はよく膨らみ、細かく泡立つ

次に、ドリップです。挽いた豆(1杯分は約15g)をペーパーにセットします。沸騰したお湯をケトルからそのまま注いではいけません。温度が高すぎます。プロは温度計を用い、適温(85℃程度?)に調整しますが、素人はそこまでできません。そこで、別のポットにお湯を移しかえると、お湯の温度が下がってくれます。

私はポットにも少しこだわりがあります。ガスバーナーで注ぎ口を炙り、間髪入れずにペンチで挟むことで“塑性変形”させています。これで注ぐ際に、細く長いお湯の流れになり、狙った場所に適量のお湯を注ぐことができます。1回目は豆全体を濡らすように少量のお湯を注ぎます。新鮮な豆はハンバーグのように膨らみます。膨らみきったところで、2回目以降を注ぎます。中心部かららせんを描くように何回かに分けて注ぎます。

(左)筆者の研究室にある器具、(右)塑性変形させたポットの注ぎ口

1杯分を150ccとしますと、はかりでドリップされた量を測りましょう。ここで、私は150ccまで全量を注がずに、100ccとなったところでストップし、あとはお湯をマグカップに注ぎ、コーヒーを“お湯割り”にします(文献1)。ドリップの終盤では、豆のよい部分は出尽くしていて、逆に雑味成分が多く抽出されるらしいのです(文献2)。そのメカニズムを私はよく理解しておらず、さらなる研究が必要です。なお、ドリッパーに注いだお湯が完全に落ちきる前にカップから外しますが、これも同じ理由です。淹れたてのコーヒーができあがりました。

色々と講釈を垂れた割には考察不足が否めませんが、大事なことはコーヒーを楽しむことだと思います。

本来は研究内容や今後の抱負などを述べるべきとは思いますが、それは別の機会として、自己紹介のかわりに美味しいコーヒーを召し上がっていただければ幸いです。

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参考文献

1 コーヒーホームページ「百珈苑」、https://sites.google.com/site/coffeetambe/2019516日アクセス

2 田口護、旦部幸博 著「コーヒー おいしさの方程式」、NHK出版 (2014)

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機友会ニュースデジタル版第77回 新准教授の紹介 村田 順二 先生