2019年4月から助教になられた先生方を紹介します。今回は松野孝博先生です。

 

いつもお世話になっております。理工学部ロボティクス学科ソフトロボティクス研究室(平井研究室)の松野孝博です。おかげさまで、本年度より助教になりました。本当にありがとうございました。

早いもので、研究者になってから二年以上が経ちました。研究者としての生活はだいたい思っていた通りでしたが、一つだけ予想外のことがあります。海外に行く機会が多いことです。実は来週もカナダで学会発表をしてきます。国際会議で議論することで非常に多くのものを得ますので大変有意義ではあるのですが、私は飛行機が苦手なので、毎回それだけが苦痛です。

皆様は、飛行機などで長時間拘束されるとき、何をして過ごしますか?映画鑑賞ですか?読書ですか?それとも勉強でしょうか?私は“編み物”をすることが多いです。小学生の頃、母親に棒編みを教わったため、棒編みだけ今でも少しできます。私がロボットを作る場合、そのロボットの服も合わせてよく編みます。研究室のロボットでも例外ではなく、図1や2のようにロボットの服を編んで作り、それを(無断で)着せて放置しています。

図1 編みぐるみで装飾された蛇型ロボット

図2 編みぐるみで装飾されたソフトグリッパ―

私は、こういったロボットの服を編むとき、大きさや形だけでなく、ロボットの動作時の服の変形も考えるようにしています。図3のように編んだ布地をモデル化し変形形状を計算することで、動作時の変形を予想しています。まだ近似的な部分が多く実用的ではありませんが、今後、より現実的なシミュレーションを実現したいと考えております。(実は発表しています 平井研研究成果:http://www.ritsumei.ac.jp/~hirai/publish-j.html

図3 (a)実際に編んだ布地 (b)布の変形シミュレーション

さて、図1や2はあくまでお遊びです。しかし、研究とは奇妙なもので、まるでこれに関連するような研究が始まりました。服と呼べるほど立派なものではありませんが、ロボットに導電性の布を巻きつけ、その布がセンサとなり人間の接近や接触を検知します(Takahiro Matsuno, Zhongkui Wang, Kaspar Althoefer, and Shinichi Hirai, Adaptive Update of Reference Capacitances in Conductive Fabric Based Robotic Skin, IEEE Robotics and Automation Letters, Vol.4, Issue 2:https://ieeexplore.ieee.org/document/8653885)。従来の剛体のセンサとは異なり布でできているため、ソフトロボットに導入することが可能です。実は来週参加するカナダの国際会議も、これについて発表します。今後、布地のモデルとセンサの理論を組み合わせ、より発展的な研究を行う予定です。そのため私が研究室で編み物や裁縫をしている可能性があると思いますが、これらは決しで遊びでは無いということを強調しておきたいと思います。

以上になります。ここで紹介させて頂いた布地の研究以外に、他の並行して進めている全ての研究を全力で進めていきたいと考えておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。本稿を最後までお読みになっていただき、本当にありがとうございました。

機友会ニュースデジタル版第74回 新助教の紹介 松野 孝博 先生