?「研究を通した国際交流の楽しみ」

機械工学科教授 徳田功

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機械工学科に来て8年目になる徳田と申します。専門は非線形動力学で、機械振動や音響、数理生物といった幅広いテーマに取り組んでいます。詳細は研究室のホームページ(http://www.ritsumei.ac.jp/~isao/tokuda-lab)をご覧いただくとして、今回は、国際交流に関わるお話をしたいと思います。

?私は研究を行うことの魅力の一つとして、外国人研究者と交流することに面白さを感じており、若い頃より実践しています。これまで、アメリカやドイツ、イギリスの大学に、一年半から数ヶ月、短い時は数週間の滞在を行い、共同研究を進めてきました。研究姿勢や最新の技術、方法論を学ぶには、その場に飛び込んで、一緒に仕事をするのが一番の近道です。なかでも頻繁に訪れるのはドイツです。もう15年前になりますが、30代のころに、一年半、フンボルト財団の研究奨学金制度を利用して,ベルリンに滞在したのがきっかけです。当時は見るもの聞くもの全てが新鮮で、瞬く間に時間が過ぎていきました。フンボルト財団のユニークなのは,実際の研究生活を開始する前に,ドイツ語コースの受講が義務付けられる点です。これは,ドイツに研究のみの目的で滞在してしまうと,仕事のみに没頭してしまってそれ以外のことに関心を持たない研究者が多いためで,奨学金の受給者には研究だけでなく,ドイツの文化・習慣にも直に触れて帰って欲しいという財団の哲学から来ています。私も,4ヶ月間、現地でゲーテ学院に通い,基礎からドイツ語を学びました。学生時代に第二外国語として学んだドイツ語はなかなか身につきませんでしたが、ドイツで生活するとなるとすぐに実践できることで面白さをおぼえ、帰国後も趣味として語学学習を継続しています。現地の言葉を勉強すると、生活の幅が広がり,楽しみも増えます。例えば,意味の分からなかった広告や看板の意味が理解出来るようになることから始まって、地域特有のニュースや映画を見聞し、地域の輪に入るなど、言葉を理解することがその文化に深く触れるためにいかに重要であるかを実感できます。?

ドイツ人と日本人、律儀で時間に正確な気質が共通点で、仕事面でも相性がよく、信頼関係が築きやすいと感じます。長年の共同研究者であるHerzel教授(フンボルト大学)との出会いは1998年まで遡りますが、以来20年間の関係が続いています。昨年、還暦を迎えられ、日本流のお祝いにチャンチャンコをお送りしました(写真1)?

知り合った当時、大学院生だった仲間達も、ドイツで立派な教授になり、月日の流れを感じます。最近では、私も仕事が忙しくなかなか長期間の滞在はできなくなりましたが、それでも春と夏にそれぞれ一週間程度、外の研究機関を訪問して、短期集中型の共同研究を行うようにしています。昨年は立命館大学の学外研究制度を利用して、2ヶ月間、ケンブリッジ大学に行かせていただき、久しぶりにまとまった一定期間、外での研究に集中することができリフレッシュできました。大学のご支援に感謝しております。欧米の流儀として、研究者や学生が頻繁にお互いの研究室の行き来をし,セミナーや短期滞在を通して,情報交換を密に行うことで、研究をスムーズに進めている点があります。年齢を重ねますと維持するのが大変になりますが、私もまだまだそのような流儀に倣っていきたい思いです。立命館大学では修士課程の学生向けにGRGP(Global-ready Graduate Program)のプログラムがあり、私の研究室でも、プログラムを通して欧米の研究室に数ヶ月滞在して、国際交流に貢献してくれています。技術を学んで一回り成長して帰ってくる様子は頼もしく、素晴らしい制度だと感じています。?

最後に、びわ湖草津キャンパスで働いている利点の一つは、場所が京都に近く、外国人研究者にとっても魅力的な訪問地という点です。毎年のようにゲストの訪問があり、今年度も博士課程の学生から研究員、教授の方まで幅広く4名のゲストがヨーロッパから来てくれます。研究室の学生も外国からの訪問客に最初は戸惑いますが、徐々に打ち解けていく様子を見守っています。英会話では、多少言葉が拙くても、気持ちがあれば十分に通じるもので、大事なのは中身だと励ましています。個性的なゲスト陣は、学生にも大いに刺激を与えてくれ、卒研生も眼を見張るような頑張りを見せてくれることがあります(写真2)

私自身が国際交流を通して貴重な経験をしてきましたので、学生にもその魅力を伝えて、国際性をもった人材に成長してもらえたらと願っています。

 

写真1:赤いチャンチャンコで還暦を迎えられたHerzel教授(フンボルト大学)

写真2:研究室に滞在されたゲスト研究者と学生との記念写真。

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機友会ニュースデジタル版第34回 機械工学科 徳田 功 先生 「研究を通した国際交流の楽しみ」