サーカディアンリズムを日常的にモニタリングするには?大学院生活と今後の目標も ~ライスボールセミナーから~

立命館大学大学院理工学研究科機械システム専攻ロボティクスコース 生体工学研究室(岡田志麻先生) 博士前期課程 1回 増田 葉月

 

機友会ニュースデジタル版をご覧の皆様,こんにちは.岡田志麻先生の生体工学研究室に所属しております,博士前期課程1回の増田葉月と申します.

2020年11月17日にオンラインで開催されたライスボールセミナー※1) で講演の機会をいただきました.「ワクワクする大学院生活~睡眠中の心電図を用いたサーカディアンリズムの推定~」という演題で,大学院生活と私の研究について紹介しました.本稿では,研究内容,簡単に大学院生活,今後の目標について紹介します.

皆様は,コロナ禍で体内時計は乱れていませんか?体内時計が乱れると,食欲不振,学力低下,心身ともに不調をきたします.体内時計とは,サーカディアンリズムを形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構のことです.体温やホルモン分泌などのからだの基本的な機能は約24時間のリズム(サーカディアンリズム)を示すことがわかっています.私は,日常的にサーカディアンリズムの最低点をモニタリングする方法を開発しました.なんと,ウェアラブルデバイス等で睡眠中の心電図(心拍数)を計測するだけで,体内時計の乱れがわかるのです.これまでの研究では,直腸温をサーミスタで24時間計測するなど侵襲性が高かったり,日中の運動を制限したりと日常的推定に適していませんでした.ここで,私は睡眠中に外部刺激によるからだの反応が鈍いこと,サーカディアンリズムの最低点が睡眠中にあること,深部体温と関係がある心拍数がウェアラブルデバイスで計測しやすいことに着目し,サーカディアンリズムの最低点を推定するアルゴリズムを開発しました.本アルゴリズムとウェアラブルデバイスを組み合わせて,スポーツ選手のコンディショニング,時差ぼけの症状度合いの推定など応用研究も行いました.本研究成果の詳細は,LifeTech (doi: 10.1109/LifeTech48969.2020.1570618996.) やEMBC(doi: 10.1109/EMBC44109.2020.9176316.) に掲載されております.

これから研究を始める学部生へ.研究って実験してものをつくって卒論/修論執筆だけではないです.先行研究調査から始まり,研究計画,実験解析の繰り返し,ゼミ,学外の勉強会から,国際/国内会議で発表,論文執筆など,さまざまなことにチャレンジできます.私の場合ですが,研究をしているとワクワクする瞬間にたくさん出会えます.例えば,面白そうな解析結果がでて考察している時,新しい知識を習得し世界が広がる瞬間,学会発表等で多くの人に自分の研究内容に興味をもっていただいた時などです(書ききれないためこの辺りで).しかし,当初は,実験は失敗するし,英語論文は慣れないし,論理的思考力の不足,タスク管理などたくさん苦労しました.そのような時は,「壁にぶち当たっている≒成長する可能性がある」と前向きに思考変換しています.

コロナ禍でさまざまな制約がかかってしまったところ,大学関係者,卒業生,国からご支援をいただきまして研究を続けられています.心より感謝申し上げます.今後の目標としては,正課の研究活動に加え,超創人財育成プログラム※2) で研究者に必要な力を磨き,博士号を取得して研究者になり,医工学の力で日常的に健康を管理し病気を未然に防ぐことで,世界中の人々の幸せに貢献していきます.

※1) ライスボールセミナー:立命館大学の教職員・若手研究者(ポストドクトラルフェロー・研究支援者)・大学院生・学部生、など学内関係者を参加対象として,昼食の時間に軽食をとりながら,研究者の研究発表およびフリーディスカッションを行うセミナー.COVID-19感染対策のため,今年度はオンラインで開催.

URL:http://www.ritsumei.ac.jp/rgiro/training/seminar/index.html/

※2) 超創人財育成プログラム:産学融合によりアクティブライフ社会(年齢,性別,障がいの有無に関わらず全ての人が生活の質を向上させ,豊かな人生を送ることができる社会)を超創する5年一貫制の人財育成プログラム.

URL:http://www.ritsumei.ac.jp/gr/aldp/

機友会ニュースデジタル版第106回  博士前期課程 1回 増田 葉月さん「サーカディアンリズムを日常的にモニタリングするには?大学院生活と今後の目標も」~ライスボールセミナーから~